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56円未払い、支払い命令 JR西・運転士の訴訟で

岡山地裁 1分遅延で賃金カット

JR西日本岡山支社の50代男性運転士(病死)が回送列車の出発を1分間遅延させるミスをしたことを理由に、1分間分の賃金など56円が支給されなかったのは不当として、JR西に未払い分や慰謝料など計約220万円を求めた訴訟の判決で、岡山地裁(奥野寿則裁判長)は19日、56円の支払いを命じた。慰謝料の請求は棄却した。

日本経済新聞Web 2022年4月20日付け記事より引用しました。

 岡山地裁は「労務の提供が人間の活動である以上、過失による誤りや遅れなどが生じ得ることは通常想定されるものであり、被告の指揮命令に服している時間として賃金請求権が発生する」と原告の主張を認め、未払い賃金の支払いを命じました。
一方、慰謝料については「未払い賃金が支払われれば不利益自体は回復する」などとして、請求を棄却しました。会社側は控訴しないことを明らかにしていますので、これで判決が確定することになります。

「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づいて不就労部分の賃金を控除することは認められますが、それを超えて余分に賃金をカットすると、例え僅かな金額と言えども、「賃金全額払いの原則」(労働基準法第24条第1項)に抵触することとなります。また、遅刻・早退や欠勤の場合に、その時間に相当する賃金を支払わないこと(不就労控除)は減給の懲戒処分ではありませんが、実際の遅刻・早退・欠勤時間分の賃金を超える減額をした場合には、その超えた金額は懲戒処分としての減給となります。
懲戒処分を課す場合は、就業規則にその根拠規定が必要であることは言うまでもありませんが、規定があったとしても、懲戒事由に該当する行為の性質、態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして、その懲戒処分は無効となります。

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