過重労働防止策、企業に報告義務
産業医の権限強化 過重労働防止策、企業に報告義務
厚生労働省は長時間労働や過労死を防ぐため、2019年度にも企業で働く産業医の権限を強化する。企業に対し、過重労働を抑えるためにとった対策を産業医に報告するよう義務付けたり、選任した産業医を安易に解任できない仕組みを設けたりする。産業医が専門的な立場から会社の実情に即した助言をできる環境を整え、従業員の健康管理を徹底する。
現行法では従業員50人以上の事業所に対し、産業医の選任を義務付けている。産業医には従業員への面接指導のほか、職場を月1回は巡回することなどが求められている。ただ企業との連携が進まず、働き過ぎを防げていないとの指摘もある。
厚労省は産業医の指導の効果を高めるには、企業の対策や従業員とのやりとりを一定程度、把握する必要があるとみる。