価格が映す日本の停滞
ディズニーやダイソー世界最安
モノやサービスなど日本の価格の安さが鮮明になってきた。世界6都市で展開するディズニーランドの入場券は日本が最安値で米カリフォルニア州の約半額。100円均一ショップ「ダイソー」のバンコクでの店頭価格は円換算で200円を超す。割安感は訪日客を増やしたが、根底には世界と比べて伸び悩む賃金が物価の低迷を招く負の循環がある。安いニッポンは少しずつ貧しくなっている日本の現実も映す。
「日本製の家電や化粧品は安くてお買い得」。中国から銀座を訪れた李さんは話す。18年の訪日外国人の旅行消費額は4兆5189億円で、13年比で3倍に増えた。
ディズニーランドの入場料は米国の約半額。ダイソーも日本が一番安い。円安だけが要因ではなく、賃金が上がらないために物価も上がらず景気も停滞という負のスパイラルの渦中にある日本。1997年の実質賃金を100とすると、2018年日本は90.1と減少しているのに対し、海外は米国が116、英国が127.2など増加傾向にある。いつの間にか置き去りになってしまった。