生涯現役 企業が備え
YKK、65歳定年を廃止/ダイキンは希望者70歳まで
日本企業が「生涯現役時代」への備えを急いでいる。YKKグループは正社員の定年を廃止。ダイキン工業は希望者全員が70歳まで働き続けられる制度を始めた。企業は4月から、70歳までのシニア雇用(総合2面きょうのことば)の確保が求められるようになった。意欲と生産性を高める人事制度づくりがシニア活用のカギを握る。
YKKは4月、本人が希望すれば何歳までも正社員として働けるようにした。
2021年4月より改正高年齢雇用安定法が施行され、新たに70歳まで就業機会確保の努力義務が課されることになった。
大半の企業では再雇用期間の単純延長などで対応する。その際に給与は2~5割程度カットされるのが一般的。定年を廃止する企業では成果主義の賃金制度などで対応し、人件費を抑える。
欧米では年金支給開始とともにリタイアする人が大部分で、2018年の調査では65歳以上の就業率が高いのは韓国(31.3%)についで日本(24.3%)が2位となっている。よく言えば働く意欲が高いと言えるが、年金だけでは生活ができないから働かざるを得ないというケースが含まれているのは否めないのではないだろうか。