「みなし労働時間」より長い実体 裁量労働制
厚生労働省の調査結果から制度の見直しへ
厚生労働省は25日、裁量労働制に関する調査結果を公表した。1日の平均労働時間は、裁量労働制は9時間で、適用されない人の8時間39分より長かった。あらかじめ定めた「みなし労働時間」より長く働いていることも判明した。厚労省は7月にも有識者検討会を設置し、制度の見直しに着手する。
2018年に成立した働き方改革関連法では、当初、裁量労働制の適用拡大が法案に盛り込まれる予定でしたが、安倍首相(当時)が時短効果を強調した根拠である厚労省の調査に不適切なデータが次々と発覚し、結果、見送られました。その際に政府が約束した新たな調査の結果が、今回、公表されたというわけです。
これによって、裁量労働制に関する議論(労働基準法改正の議論)が再び動き出すことになりました。経済界は適用拡大を求めていますが、労働組合などの反発が強まる可能性がありますので、議論の行方を注視していきたいと思います。
調査結果は下記リンクをご覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19271.html
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000797841.pdf