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雇調金の不正受給を強要され、うつ病に

元社員が労働審判申立て

男性は、会社側に不正受給をやめるよう進言したが、会社は不正受給を継続し、男性を降格処分にするなどの対応をしたと主張している。
申立て後に開かれた会見で、男性は、「若い社員が多くて優秀な会社なのに、一部の人間によって会社がおかしくなることに憤りを感じる」と話した。

弁護士ドットコム ニュース 2022年4月7日付け記事より引用しました。

 本記事に関連して、精神障害の労災認定基準について解説します。発病した精神障害が労災認定されるための要件は次の通りとなっています。

  1. 認定基準の対象となる精神障害を発病していること
  2. 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
  3. 業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

このうち、2.の「業務による強い心理的負荷が認められる」とは、業務による具体的な出来事があり、その出来事とその後の状況が、労働者に強い心理的負荷を与えたことをいいます。

そして、「業務による強い心理的負荷が認められる」かどうかですが、労働基準監督署が調査し、具体的な出来事を「業務による心理的負荷評価表」に当てはめて『強』と評価される場合に、認定要件の2.を満たすことになります。「業務による心理的負荷評価表」では、具体的な出来事として「業務に関連し、違法行為を強要された」があり、『強』にあたるとして、下記4ケースが挙げられています。

  • 業務に関連し、重大な違法行為(人の生命に関わる違法行為、発覚した場合に会社の信用を著しく傷つける違法行為)を命じられた
  • 業務に関連し、反対したにもかかわらず、違法行為を執拗に命じられ、やむなくそれに従った
  • 業務に関連し、重大な違法行為を命じられ、何度もそれに従った
  • 業務に関連し、強要された違法行為が発覚し、事後対応に多大な労力を費やした(重いペナルティを課された等を含む)

なお、現在、厚生労働省に「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」が設けられ、現在の働き方にふさわしい精神障害の認定基準づくりに向けて、活発な議論が展開されています。第3回までの資料が公開されていますので、ご関心のある方は、ぜひご覧になってみてください。

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