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上智大、是正勧告書の受け取り拒否

非常勤講師賃金未払い

上智大で非常勤講師の60代女性に賃金未払いがあったとして、大学側が中央労働基準監督署(東京)から是正勧告を受けていたことが31日までに、分かった。大学側は勧告書の受け取りを拒み、労基署が求めた是正報告にも応じていないという。是正勧告は法律違反が認められた際の行政指導で、応じなければ書類送検される場合もある。

日本経済新聞Web 2022年5月31日付け記事より引用しました。

 非常勤講師の女性は、2019年~2021年中の会議やオンライン教材作成など授業時間外の約105時間分の賃金(約75万円)について支払いを求めましたが、大学側から「授業給に含まれる」として断られたとのことです。

労基署が2021年10月、労基法24条違反があるとして是正勧告を出したところ、大学側は会議への参加等については数万円を支払ったものの教材作成については支払を拒否したため、2022年2月、労基署が再度の是正勧告をおこなったという経緯です。

ところで、学校や学習塾といった教育現場で働く非常勤講師によく見られる待遇の「コマ給」をご存知でしょうか。「コマ給」とは文字通り、授業1コマ分の報酬を定め、受け持ったコマ数に1コマの単価を乗じて計算した賃金を支払うというものです。授業1コマの時間に応じた報酬を設定するのが一般的で、授業のみを受け持つ学校の非常勤講師や塾講師の報酬を考える上では、シンプルでフィットしやすい仕組みだと言えます。

ただ「コマ給」を採用している労働現場では、授業時間外の労働時間が把握されておらず、賃金支払の対象になっていない点がこれまで問題視されてきました。神奈川労働局はこのような問題に対して、「学習塾における講師等の労働条件の確保・改善のポイント」を発行し、啓発をおこなっています。

「コマ給」問題の解消には、授業時間外の業務についてもその労働時間を適正に把握し、きちんと賃金を支払うことが必要です。
大手の塾を中心に、「コマ給」と「事務給(授業時間外の業務に関わる時間給)」を設定し、それぞれの時間を把握して賃金を計算する方法を採り入れるところが増えてきているようです。
こうした流れを受け、「コマ給」を採用している事業主様は今一度、自社の制度を見直し、もし問題があるようでしたら、適正な方向へと改善していかれるようお願いしたいと思います。

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