非正規社員も待遇改善 イオン系40社、正社員と同等
外食・製造業に拡大
イオンは2024年度からグループ40社で、パートの待遇を同じ業務を手がける正社員と同等にする制度を順次導入する。食品スーパー大手のライフコーポレーションも勤務する地域・店舗を絞った社員の種別を廃止し、正社員と同じ待遇とした。非正規待遇の従業員は被雇用者全体の4割を占め、待遇改善は外食や製造業にも広がる。
一般的に非正規社員の賃金・処遇は正社員より低いことが多く、非正規社員の約6割を女性が占めるなか、男女別の賃金格差が生じる一因と指摘されています。
政府は、同一企業における正社員と非正規社員との間の「均等・均衡待遇」を実現するため、働き方改革関連法の一つとして「パートタイム・有期雇用労働法」を改正し、2020年4月(中小企業は2021年4月)から施行しています。
パートタイム・有期雇用労働法第8条(均衡待遇規定)は、同じ企業における正社員と非正規社員との間で、①職務内容、②職務内容・配置の変更範囲、③その他の事情を考慮して、「不合理な待遇差」を禁止しています。また、第9条(均等待遇規定)は、①職務内容、②職務内容・配置の変更範囲が正社員と非正規社員との間で同じ場合、待遇の違いを設けることは「差別的取扱い」として禁止しています。
従って、正社員と非正規社員との間で、個別の待遇(基本給、諸手当、賞与、休暇、福利厚生など)ごとに見て違いがある場合(違いを設ける場合)は、均等待遇規定・均衡待遇規定のいずれもクリアすることが必要です。
厚生労働省の令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査によると、均衡待遇規定(不合理な待遇差の禁止)を踏まえ、非正規社員あるいは正社員の「待遇の見直しを行った」企業は28.5%となっています。
「待遇差はない」と回答した企業が28.2%ありますので、合わせて6割近くの企業が「不合理な待遇差の禁止」規定に対応されているといえます。
その実施内容(複数回答)をみると、具体的に見直した待遇としては、「基本給」(45.1%)が最も多く、「有給の休暇制度」(35.3%)、「賞与」(26.0%)、「その他の手当」(25.7%)と続いており、待遇の柱である基本給を重視した見直し対応を行っていることがわかります。
一方で、見直しは特に行っていない企業が36.0%あり、規模が小さくなるほど見直しを行っていない企業が増加する傾向にあります。
詳細は、こちらの記事をご覧になってください。