認知症、迫る「7人に1人」仕事・介護の両立困難なら損失9兆円
30年政府推計 人材確保、テック活用必須
認知症の患者数が2030年に523万人にのぼる見通しとなった。高齢者の14%にあたる7人に1人が認知症患者となる。仕事と介護の両立が困難な人が増えると、経済的な損失は年9兆円に及ぶとの試算もある。最大の課題は介護人材の確保で、政策とテクノロジー活用の両面での取り組みが欠かせない。
認知症の人が増えていくなか、地域や職場などで、認知症とともに歩む姿勢が重要になっています。
ところで皆さん、「認知症サポーター」をご存知でしょうか? 認知症サポーターとは、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対して、できる範囲で手助けし、温かい目で見守る「応援者」です。何か特別なことをする人ではありません。
誰でも、養成講座(90分)を受ければ、認知症サポーターになることができます。内容は難しいものではなく、「認知症とは何か」というテーマからはじまり、認知症によって現れる中核症状やBPSD(周辺症状)主な症状について勉強します。認知症と言えば徘徊や物忘ればかりが注目されますが、それ以外のさまざまな症状についても幅広く学び、認知症の予防方法や治療法、認知症の方との接し方や介護者の気持ちなどについても学習します。
認知症サポーター制度は2005年にスタートし、初年度の受講者は3万人程度でしたが、その後、右肩上がりに伸び、2024年3月31日時点で15,348,496人がサポーターとして活動しています。
認知症サポーター養成講座の受講を希望される方は、最寄り(在住・在勤・在学)の事務局へご相談ください。
認知症サポーターに期待されることは、次の通りです。
①認知症に対して正しく理解し、偏見をもたない。
②認知症の人や家族に対して温かい目で見守る。
③近隣の認知症の人や家族に対して、自分なりにできる簡単なことから実践する。
④地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携、ネットワークをつくる。
⑤まちづくりを担う地域のリーダーとして活躍する。
自分や家族が認知症となり、いつ介護が必要となる状態になるかも知れません。認知症は決して他人事ではなく、私たち一人ひとりの問題です。認知症に対する正しい知識を習得しておくことは、これからの人生において必ず役に立つと思います。