年休取得率、最高の62.1% 2022年
政府目標とは開き
厚生労働省が31日発表した就労条件総合調査によると、企業で働く人が2022年に取得した年次有給休暇(年休)の平均日数は、前年から0.6日増えて10.9日だった。付与された年休の日数のうち、実際に取得した割合の平均取得率は3.8ポイント増の62.1%と過去最高。ただ政府が過労死防止大綱で掲げる「25年までに70%以上」の目標とはなお開きがある。
「就労条件総合調査」は、主要産業における企業の労働時間制度や賃金制度等について総合的に調査し、民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的としている統計調査です。
労働時間制度(所定労働時間数、週休制、変形労働時間制、みなし労働時間制、年次有給休暇等)に関する事項は毎年調査され、ほかの調査事項はローテーションにより実施されています。なお、本記事にある通り、退職給付(一時金・年金)制度・退職給付の支給実態は、5年に1度、調査が行われています。
年次有給休暇をみると、昨年1年間に企業が付与した年次有給休暇日数(繰越日数を除く)は平均17.6日、このうち労働者が取得した日数は10.9日で、取得率は62.1%(前年調査58.3%)となり、昭和59年以降過去最高でした。また、年次有給休暇の計画的付与制度がある企業は43.9%で、計画的付与日数をみると、「5~6日」が 72.4%と最も高くなっています。
年次有給休暇の計画的付与制度については、気になる話題ピックアップでご紹介した以下の記事をご覧になってください。
他方、特別休暇制度※がある企業は55.0%で、これを特別休暇制度の種類(複数回答)別にみると、「夏季休暇」37.8%、「病気休暇」21.9%、「リフレッシュ休暇」12.9%、「ボランティア休暇」4.4%、「教育訓練休暇」3.4%となっています。
※特別休暇とは、法定休暇(年次有給休暇、産前・産後休暇、育児休業、介護休業、子の看護のための休暇等)以外に付与される休暇で、就業規則等で制度として認められている休暇をいいます。
以前の人事・労務ほっとニュースで「病気休暇」について取り上げていますので、こちらの記事もぜひご一読ください。