楽しく学べる中高生向け年金教育教材
厚生労働省は、このたび、複雑な年金制度を中高生にわかりやすく、楽しく学んでもらおうと、クイズ形式の動画教材を作成しました。教材は、全国の学校が授業で活用できるように「特設サイト」で公開されています。
この教材は、エンタメと知を融合させたメディア「QuizKnock」とコラボレーションしています。そして、中学・高校の学習指導要領を参考に3時間分の授業が用意されています。
授業資料は、将来のライフプランと年金制度について考えながら、学生自ら問いを立て、それに対して答えていくという学習が進められるように工夫がされています。
動画を使いながらの1時間目は「年金制度の基礎について」、2時間目は「年金と自分の人生との関わりについて」、3時間目は「少子高齢化や物価上昇での年金制度について」とそれぞれを笑いもありつつ、わかりやすい言葉で解説してくれています。さらにこちらのサイトでは、授業で使用する、台本やワークシートがダウンロードをできるようになっていました。使われている動画(YouTube)もまとめてあり、まさに至れり尽くせりです。
今回、厚生労働省がこの年金教材に取り組んだ背景としては、20歳以上60歳未満のすべての人が公的年金制度の対象となっているにもかかわらず、学校で年金について触れる機会が少ないという状況があげられます。また、ご存じの通り公的年金制度は、老齢、障害、死亡などの将来のリスクに対して、社会全体で備える仕組みなので、国民一人一人がその意義を理解することが重要となります。
社会保障審議会年金部会(令和元年12月27日付)における議論の整理においても「子どもの頃から生涯を通じた年金教育の取り組みを進める必要がある」とされました。このため、厚生労働省では、学生と年金局職員が年金をテーマに語り合うことを通じて、学生が年金について考えるきっかけにするとともに、学生からの意見や指摘を今後の年金行政に生かすことを目的に、学生向け年金対話集会を開催しています。
さらに、内閣府が令和5年11月に実施した「生活設計と年金に関する世論調査」によれば、「公的年金制度の内容について、多くの方に理解してもらうためには、どのようなことが必要か」という質問に対し、18歳以上29歳以下の方の60.9%が「中学・高校における年金に関する授業の充実」をあげています。
こうした背景等を踏まえ、この年金教育教材は、全国の中学校、高等学校の授業やその他教育機関で活用していただけるよう制作されました。
また、こちらのサイトの最後では「サクッと学べル!!年金制度12のキーワード」を取り上げており、かなり細かいところまで年金について説明していますので、ご興味がある方は是非覗いてみてください!
「年金制度12のキーワード」
・予測できない未来のために
・世代を超えて支え合う
・年金の財源
・年金の給付水準
・終身もらえる保障(老齢年金)
・働き手がなくなってしまったとき(遺族年金)
・自分が働けなくなったとき(障害年金)
・国民全員が加入する国民年金
・会社が半分負担してくれる厚生年金
・所得等による免除・猶予制度
・自分に合った備えを
・個人でも育てられる私的年金