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「経営陣に人権侵害防ぐ責任」 経産省指針案、対応促す

取引停止は「最終手段」海外事案、企業任せ限界も

経済産業省は5日、企業がサプライチェーン(供給網)全体で人権侵害を把握し、改善に取り組む「人権デューデリジェンス」の指針案をまとめた。人権侵害のリスクが特定された場合は「経営陣の最終責任」で防止・軽減に取り組む必要があると明記した。取り組みが欧米に遅れる中で企業に対応を促すが、エネルギーなど国策もからむ分野では政府も含めた対応が問われる。

日本経済新聞Web 2022年8月6日付け記事より引用しました。

 企業は事業活動を通じて、人権を侵害することがあります。典型的な例は、人種や性別、宗教の違いで処遇に差をつけたり、不当に安い賃金で劣悪な環境下で働かせるようなケースです。企業の人権侵害があれば是正する取り組みを「人権デューデリジェンス(DD)」と言いますが、今回、指針案で示された人権DDの実施手順は以下の通りです。

  1. サプライチェーン全体ですでに生じているか、生じそうな人権侵害を特定し、深刻度を評価する
  2. 人権侵害の防止や低減に取り組む
  3. 取り組みに効果があったか、実効性を評価する
  4. 自社の取り組みを公表する

経団連は「企業に求められる人権を尊重する経営」の解説動画を公開し、「人権を尊重する経営のためのハンドブック」に関して、「ビジネスと人権」や「人権を尊重する経営」などを紹介しています。経団連の会員企業以外の企業においても参考になる内容ですので、一度、ご視聴されることをお薦めします。

動画では、「人権を尊重する経営」に取り組む上でのポイントとして、

  • 企業は、人権を確実に尊重するための仕組みと手続きを整備し、その取り組み状況を積極的に開示していく必要がある
  • そのために、人権DDを継続的に実施することが重要

としています。

また、経済産業省は昨年、「日本企業のサプライチェーンにおける人権に関する取組状況」のアンケートを実施し、調査結果を公表しています。この調査は、日本企業のビジネスと人権への取組状況に関する政府として初めての調査となります。

調査結果の概要は以下の通りです。
・人権DDを実施している企業は52%
・人権DD実施企業のうち国内直接仕入れ先まで実施している企業は62%
・人権DD実施企業のうち国内間接仕入れ先まで実施している企業は25%
・人権DD実施企業のうち国内間接仕入れ先まで実施している企業は16%

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