デジタル給与、23年4月解禁
労働者側の同意がある場合などに限り
労働基準法は賃金の現金払いを原則とし、銀行・証券総合口座への振り込みも認めている。今回の省令改正により、「PayPay」「楽天ペイ」といたスマートフォン決済アプリ口座も入金先として選択できるようになる。
給与のデジタル払いについて、労働政策審議会の資料(労働基準法施行規則の一部を改正する省令案の概要)から、その改正の趣旨をご紹介します。
●労働基準法第 24 条第1項において、賃金は、原則、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならないとされており、労働基準法施行規則第7条の2第1項において、使用者は、労働者の同意を得た場合には、①当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込み又は②当該労働者が指定する金融商品取引業者に対する当該労働者の預り金への払込みにより賃金を支払うことも認められている。
●今般、①②に加え、キャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化が進む中で、資金移動業者の口座への資金移動を給与受取に活用するニーズも一定程度見られることから、労働者の同意を得た上で、一定の要件を満たした場合には、労働者の資金移動業者の口座への賃金支払を可能とすることとする。