首相、経済界に賃上げ呼び掛け
連合には支援をアピール
岸田文雄首相は5日、東京都内で開かれた経団連など経済3団体の新年祝賀会に出席し、物価上昇分を超える賃上げを呼び掛けた。連合の新年交歓会にも昨年に続いて参加し、労働界の取り組みを支援する考えを表明した。賃上げに向けた機運を高め、政権の看板政策「新しい資本主義」実現につなげたい考えだ。
物価上昇を受け、連合は今年の春闘に於いて5%程度の賃上げを要求する方針で、これに対し、経団連も「物価上昇に負けない賃金引き上げは、経営側の責務」だとして、会員企業に積極的な賃上げを呼び掛ける方針です。基本給の底上げにつながる「ベースアップ」で物価上昇を上回ることが期待されているところです。
さて、賃上げ(基本給の昇給)方法には、一定の時期にあらかじめ定めた額を原則として毎年引き上げる「定期昇給」と、生産性の向上などに基づき必要に応じて月例賃金の水準自体を底上げする「ベースアップ」の二通りがあります。
定期昇給には、年齢や勤続年数の上昇に伴って増える「自動昇給(年齢給、勤続給等)」、職務遂行能力や成果、人事評価によって金額が決まる「査定昇給(職能給、成果給等)」、昇格・昇進した際に資格給や役割給などが増加する「昇格・昇進昇給」があります。
一方、ベースアップは、全社員を対象として一定額を引き上げる「一律定額配分」や、基本給に一定の率を乗じた額を引き上げる「一律定率配分」のほか、職務・資格別の配分、若年層や子育て世代、業績・人事評価等に基づく優秀層といった特定層への重点配分など、各企業の実情に合わせて、多様な手法で実施されています。