2023年法律・ルールこう変わる
経済安保法制など進展
2023年もビジネスに影響の大きい多くの法律が改正される。企業法務に詳しい国内の弁護士に注目する法務トピックを聞いたところ、国内・海外ともに経済安全保障を巡るルールの行方に大きな関心が集まった。株主総会資料の電子提供制度や民事訴訟のIT(情報技術)化といったデジタル化に向けたルール改正も控える。環境や人権対応などを巡る規制強化は海外が先行し、日本企業も対応を迫られる。
2023年(令和5年)以降に施行される主な労働関係法の改正ポイントは以下の通りです。
●改正労働基準法(令和5年4月1日施行)
中小企業の月60時間を超える時間外労働の割増賃金率の引き上げ
●改正育児・介護休業法(令和5年4月1日施行)
従業員1000人超の企業に対する男性の育児休業の取得状況の公表義務づけ
●改正労働基準法施行規則(令和5年4月1日施行)
賃金のデジタル払いの解禁
●改正健康保険法・厚生年金保険法(令和6年10月1日施行)
短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件の引き下げ
●改正確定拠出年金法(令和6年12月1日施行)
企業型DC拠出限度額の見直し、iDeCo拠出限度額の見直し
●改正雇用保険法(令和7年4月1日施行)
65歳までの雇用確保措置の進展等を踏まえての高年齢雇用継続給付の縮小
この他、2023年には、改正女性活躍推進法による「従業員301人以上の企業に対する男女間の賃金の差異情報公開」が本格化します(事業年度終了から概ね3か月以内に前年度の情報公開を義務づけ)。また、「将来の勤務地や仕事の内容を明示することの義務づけ」や「専門業務型裁量労働制の拡充」に伴う労働基準法の省令改正が公布される予定です。