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「アマゾン」配達中にけが ドライバー労災認定 全国初か

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ネット通販大手「アマゾン」の配達を行うフリーランスのドライバーが配達中にけがをしたことについて、労働基準監督署から労災として認定されたことがわかりました。支援する弁護士は、アマゾンの配達員が労災認定されたのは全国で初めてではないかとしています。

NHK 2023年10月4日付け記事より引用しました。

 形式的には業務委託等の契約であっても、実態が雇用契約と同視できる場合には労働者性が認められ、労働基準法等が適用されることがあります。

労働基準法9条は、労働者を「事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と規定していますが、労基法上の労働者に該当するか否か(=労働者性)は、次の2つの基準(=使用従属性)で判断されることとなります。

  • 労働が他人の指揮監督下において行われているかどうか、すなわち、他人に従属して労務を提供しているかどうか
  • 報酬が、「指揮監督下における労働」の対価として支払われているかどうか

そして、「使用従属性」が認められるかどうかは、請負契約や委任契約といった形式的な契約形式にかかわらず、契約の内容・労務提供の形態・報酬その他の要素から、個別の事案ごとに、以下の項目に基づいて総合的に判断されます。

「使用従属性」に関する判断基準
 ●「指揮監督下の労働」であること
 ・仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無
 ・業務遂行上の指揮監督の有無
 ・拘束性の有無
 ・代替性の有無(指揮監督関係を補強する要素)
 ●「報酬の労務対償性」があること

「労働者性」の判断を補強する要素
 ●事業者性の有無
 ●専属性の程度
(以上、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(令和3年3月26日)」より)

このうち、「仕事の依頼、業務従事の指示等に対する諾否の自由の有無」とは、発注者等から具体的な仕事の依頼や、業務に従事するよう指示があった場合などに、それを受けるか受けないかを受注者が自分で決めることができるか、ということです。発注者等から指示された業務を拒否することが、病気などの特別な理由がない限り認めらない場合は、指揮監督関係にあることを示す重要な要素となります。

本記事にある弁護士のコメント「アマゾンのアプリで配達の数やルートが割り当てられ、事実上、業務を断ることができないことなどが指揮・監督を受けていると認められた」は、この点を指しているといえます。

なお、「労働者性」に関しては、以下の記事もあわせてご覧いただけると幸いです。

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