週10時間労働で雇用保険に
要件緩和、500万人加入
政府が雇用保険の加入要件である週の労働時間を現行の「20時間以上」から「10時間以上」に緩和する方向で検討していることが分かった。複数の関係者が21日、明らかにした。パートら短時間労働者約500万人の加入が見込まれ、失業や育児休業に伴う給付を受け取れるようにする。働き方の多様化を踏まえ、雇用のセーフティーネットを強化して収入を安定させ、安心して出産や子育てができる環境をつくる狙い。
働き方の多様化を踏まえ、雇用のセーフティーネットを強化して収入を安定させ、安心して出産や子育てができる環境をつくることが狙いとされています。また、政府の「次元の異なる少子化対策」の一環となります。
現在の雇用保険の加入要件は、1週間の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上の雇用見込みがあることですが、柔軟な働き方の広がりなどに対応するため、1週間の所定労働時間を「10時間以上」に緩和する方向です。
雇用保険への加入により、離職した際の失業給付や、育児休業取得時に休業前の手取り額の実質8割を受給できる育児休業給付などの対象となります。なお、育児休業給付に関しては、先日、両親がともに育休を取った場合、手取り収入額の実質10割に引き上げる案が示されました。
2024年の通常国会で関連法案を提出し、2028年度にも実施する方向で調整され、厚生労働省が年内に開く労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会で案を示す見通しとなっています。