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胸を触り、無理やりキス 元部下へのセクハラで約600万円賠償命令

男性の行為と女性の鬱病発症は因果関係があると判断

コールセンター業務を手がける「エヌ・エル・エヌ」(鳥取市)の岡山支店(岡山市)に勤めていた30代女性が、上司だった男性からのセクハラで休職を余儀なくされ、精神疾患を発症したなどとして、同社と男性に計約3200万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決で、鳥取地裁は16日、同社と男性に計約600万円の賠償を命じた。

産経新聞Web 2024年2月16日付け記事より引用しました。

 職場における労働者の意に反する性的な言動はセクハラであり、事業主はこれを防止するための措置義務を負っています。
また、職場におけるセクハラが性犯罪に該当することもあります。2023年7月に改正刑法が施行され、第176条は「不同意わいせつ罪」に、第177条は「不同意性交等罪」に改められました。

以下の①または②によって、性交等をした場合に「不同意性交等罪」(5年以上の有期懲役)、わいせつな行為をした場合に「不同意わいせつ罪」(6月以上10年以下の懲役)が成立します。

次のいずれかを原因として、“同意しない”意思を形成、表明または全うすることが困難な状態にさせること、あるいは相手がそのような状態にあることに乗じること
・暴行または脅迫
・心身の障害
・アルコールまたは薬物の影響
・睡眠その他の意識不明瞭
・同意しない意思を形成、表明または全うする暇の不存在(例:不意打ち)
・予想と異なる事態との直面に起因する恐怖または驚愕(例:フリーズ)
・虐待に起因する心理的反応(無力感・恐怖心)
・経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力による不利益の憂慮
(例:上司・部下、教師・生徒などの立場ゆえの影響力によって不利益が生じることを不安に思うこと)

わいせつ行為ではないと誤信させたり、人違いをさせること、または相手がそのような誤信をしていることに乗じること

なお、不同意性交等罪・不同意わいせつ罪は、配偶者やパートナーの間でも成立します。参考までに、法務省が作成した「大学生を対象としたリーフレット」をご覧ください。

一方、民事上のセクハラに関する裁判例では、刑法改正よりも前から、相手が抵抗を示さなかったという事情は、行為者にとって有利なものにはならないとされてきました。また、2023年9月に改正された「心理的負荷による精神障害の労災認定基準」においても、セクハラの被害者がやむなく迎合する場合などがある旨の言及があります。

厚労省のセクハラ指針では、事後の迅速かつ適切な対応として、事実関係を迅速かつ正確に確認することを求めていますが、その際、「相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも適切に配慮する」こととされています。

この配慮にあたっては、相談者が行為者に対して迎合的な言動を行っていたとしても、その事実が必ずしもセクハラを受けたことを単純に否定する理由にはならないことに留意する必要があります。

刑法改正やセクハラに関する企業事例の報道などによって、性加害に対する社会の視線はより厳しくなっています。企業は、行為者と被害申告者との関係性、性的言動に至る経緯などを詳細に検討し、セクハラ認定をすることが、一層求められています。

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