外国人労働200万人突破 人手不足、12.4%増
受け入れ加速、実習生回復
厚生労働省は26日、令和5年10月末時点の外国人労働者が、過去最多の204万8675人だったと発表した。前年から22万5950人増え、初めて200万人を超えた。増加率は12・4%で、前年の5・5%を大きく上回った。国内の人手不足を背景に受け入れが加速している。新型コロナウイルス禍で減少していた技能実習生が増加に転じたことも全体の人数を押し上げた。
厚労省が公表した「令和5年10月末時点の外国人雇用についての届出状況」のポイントは次の通りです。
●外国人労働者数は2,048,675人で前年比225,950人増加。
届出が義務化された平成19年以降で過去最高を更新し、対前年増加率は12.4%と前年の5.5%から6.9ポイント上昇。
●外国人を雇用する事業所数は318,775所で前年比19,985所増加。
届出義務化以降で過去最高を更新し、対前年増加率は6.7%と前年の4.8%から1.9ポイント上昇。
●国籍別では、ベトナムが最も多く518,364人(外国人労働者数全体の25.3%)、次いで中国397,918人(同19.4%)、フィリピン226,846人(同11.1%)の順。
●在留資格別では、「身分に基づく在留資格」が最も多く615,934人、次いで「専門的・技術的分野の在留資格」595,904人、「技能実習」412,501人の順。
武見厚生労働相は1月26日の記者会見で、増加する外国人労働者の待遇や雇用形態などの新たな実態調査を進める意向を示しました。今夏に結果を公表する予定で、「能力を最大限発揮できるよう、実態を適切に把握し、就労環境の整備に取り組みたい」と述べています。調査対象は、外国人労働者や外国人を雇用する事業所で、賃金や労働時間、就職した経緯などを調べ、今後の施策に活用していくとのことです。
また、外国人が働きやすい労働環境の整備に向けて、ハローワークを通じて事業所を指導する考えも示しています。