眠る働き手530万人 内閣府試算
仕事とスキルずれ153万人、人手不足が成長の制約 「年収の壁」も解消促す
日本には「眠る働き手」が約530万人いる。内閣府は30日、こんな試算を公表した。パートなどで働く人が一定の収入を超えると手取りが減る「年収の壁」を是正し、働き手のスキルを磨き直すことで潜在的な労働力を掘り起こせるとみる。歴史的に低い失業率でも続く人手不足が、成長の制約になるとの懸念が試算の背景にある。
野村総合研究所さんが、「年収の壁」支援策が有配偶パート女性の今後の就労に及ぼす影響を把握することを目的とした調査(インターネットアンケート)を実施し、先日、その結果が公表されました。
主な内容は次の通りです。
- 就業調整する有配偶パート女性の63.2%が、今回の支援策で今より年収が多くなる働き方を希望
- 就業調整している有配偶パート女性の50.4%が、「年収の壁」問題の解消で時給の高い仕事への転職を希望
また、年収が多くなる働き方を希望する人に「今回の支援策を利用して増やしたい年収額」を聞いたところ、最も多かったのは20~30万円(21.2%)で、次いで50~60万円(16.9%)、30~40万円(同6.4%)で、増やしたい年収額の平均は25.9万円となりました。
※就業調整とは、自身の年収が「年収の壁」を超えないように就業時間や就業日数を調整することをいいます。
野村総合研究所は、調査結果を受けて以下の通りコメントされています。政府による今回の支援策「年収の壁・支援強化パッケージ」は、「年収の壁」を意識して就業時間の調整をしながら働いているが、実際にはもっと働いて少しでも収入を増やしたいと考える労働者に対して、就業時間の延長や転職の促進とそれによる収入の増加の面で一定の効果をもたらすことが期待できると考えます。
一方で、働き方の選択や勤め先の規模・業種によらず、誰もが安心して働くことができる社会保障制度などへの改革が急がれます。なお、政府による「年収の壁」支援策について詳しくお知りになりたい方は、こちらの記事をご覧になってください。