NEC子会社社員が過労死 裁量制、業務負荷重く
労働時間以外の負荷要因とは
2021年にNECの子会社「NECマネジメントパートナー」(川崎市)の男性社員(当時43)が脳幹出血で死亡したのは過重労働が原因だとして、川崎北労働基準監督署が労災認定していたことが31日、分かった。遺族代理人の川人博弁護士らが東京都内で記者会見し明らかにした。
厚生労働省では、労働者に発症した脳・心臓疾患、精神障害を労災として認定する際の基準を定めています。脳・心臓疾患の場合は、「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く)の認定基準」により、労災保険を適用するかどうかが決定されます。
脳・心臓疾患の労災認定基準は令和3年9月14日に改正されましたが、そのポイントは次の通りです。
●長期間の過重業務の評価に当たり、労働時間と「労働時間以外の負荷要因」を総合評価して労災認定することを明確化
●長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直し
●短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化
●対象疾病に「重篤な心不全」を追加
「労働時間以外の負荷要因」とは以下のものをいい、これらに一定の負荷が認められる場合には、労働時間の状況と合わせて総合的に評価し、業務と発症との関連性が強いといえるかどうかが判断されることになります。
●勤務時間の不規則性
・拘束時間の長い勤務
・休日のない連続勤務
・勤務間インターバルが短い勤務
・不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務
●事業場外における移動を伴う業務
・出張の多い業務
・その他事業場外における移動を伴う業務
●心理的負荷を伴う業務
●身体的負荷を伴う業務
●作業環境
・温度環境
・騒音
なお、勤務間インターバルとは、終業から次の始業までの時間をいいます。過重業務の判断に当たっては、睡眠時間の確保の観点から、勤務間インターバルがおおむね11時間未満の勤務の有無、時間数、頻度、連続性等について検討し、評価されます。
勤務間インターバル制度については、こちらの動画で解説していますので、この機会にぜひご視聴ください。
また、4月1日より「裁量労働制」に関するルールが改正されます。詳細は、こちらからご確認ください。