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病気療養のための休暇制度を導入してみませんか

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近年、組織のグローバル化に合わせた新しい休暇制度として、「シックリーブ(SickLeave)」が徐々に認知されてきています。シックリーブとは、労働者が業務外の病気やケガなど健康上の理由で仕事を休む際に取得できる有給の休暇のことで、海外では、EU諸国やオーストラリア、シンガポールやマレーシアなど多くの国や地域で法律として定められています。

ただ、日本で導入している企業は全体の 4 分の 1 に留まっており、そのうちの6割は有給(全額+一部)ですが、4割は無給となっています(厚生労働省「令和 3 年就労条件総合調査」より)。


引用元:厚生労働省「令和3年就労条件総合調査」

病気療養のための休暇の必要性
昨今、長期にわたる治療等が必要な疾病のため、一定期間の休職などを経て、通院による治療を受けながら仕事をしている労働者が増加しています。

例えば、がん患者の放射線治療は、毎日1,2時間の通院が1か月必要です。年次有給休暇とは別に、治療目的の私傷病休暇制度があれば、就労と治療の両立に取り組む不安を取り除くことができます。

また、風邪や感染症などの突発的な体調不良時に取得できる病気のための休暇を、年次有給休暇と別に設けておくことは、万一に備えたセーフティネットになります。

例えば、季節性インフルエンザや新型コロナウイルスは5類感染症扱いのため、就業制限の対象外となっていますので、発熱や体調不良があっても、給与を減らさないために働き続けてしまう労働者が出てくるも考えられます。病気療養のための有給休暇は、このような感染症罹患者を職場から隔離させるためにも有効といえ、周囲の労働者の安心にもつながります。

導入例
導入する場合、例えば以下のような制度が考えられます。

導入例① 年次有給休暇とは別に、労働者本人やその家族に病気等が生じた場合に、有給扱いで年間 5日を上限に取得できる制度を設ける。
→ 本人やその家族の急な体調不良で休まなければならないときに病気休暇があることで、普段から安心して年次有給休暇を取得できます。

導入例② 短時間の検診や外来通院などに対応するため、1 時間単位で取得できる病気休暇制度(取得日数に制限はなく、通算10日までは有給扱い)を設ける。
→ 長期間の休職から復職した後に、短期間取得できる休暇制度があることで、労働者が安心して、治療と仕事を両立することができます。

最後に
日本の労働者 1 人の年次有給休暇の平均取得率は 56.6%(厚生労働省「令和 3 年就労条件総合調査」)と、諸外国の取得率と比較すると低いのですが、日本人が年次有給休暇を取得しない最大の理由は、「緊急時のために取っておく」ということだそうです。したがって、シックリーブがあれば、年次有給休暇の取得率は上がり、ワークライフバランスの改善にも効果的なのではないかと思います。一方、企業側にとっても、労働者のウェルビーイング実現による生産性向上、また、働きやすい会社として人材の確保や求人者の増加につながることが期待できます。ぜひこの機会にご検討してみてはいかがでしょうか。

参考:

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