無期転換ルールの本格適用が開始 雇い止め巡り訴訟相次ぐ
「更新期待権」の解釈がカギとなる
雇用契約を更新されない雇い止めを不服として、契約社員などの有期労働者が勤務先を訴える裁判が相次いでいる。労働契約法が定める更新期待権を根拠に無効を求める内容だ。産業界には4月に本格適用が始まった「無期転換ルール」を踏まえ、雇用契約の更新者を絞る動きが出ており、紛争は広がる可能性がある。
実は更新期待権については要件があいまいで、企業側と雇い止めされた側でルールの解釈が異なる余地がある。厚労省の通達は更新期待権の有無は契約の更新回数や通算雇用期間などから総合的に判断するとしている。複数の弁護士は「この基準は抽象的で一律の判断が難しい」と話す。