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育児・介護休業法の改正 男性の育児休業取得促進期待


2021 年 6 月 3 日、男性が育児休業を取得しやすくなる制度などを定めた改正育児・介護休業法が成立しました。この法改正によって男性の育児休業取得促進が期待されます。
まずは、簡単にどんな法改正かというと、
①男性の出生時育児休業制度を新設
 ・出産日から 8 週間以内に 4 週間(最大 2 回に分けて)可能取得
 ・原則 2 週間前までの申請で可
 ・労使協定を締結している場合、事前に調整した上で育児休業中に、所定労働日・所定労働時間
  の半分までスポット的に就業が可能
②企業から従業員へ育児休業の取得確認の義務化
③育児休業の分割取得
 ・男女問わず、育児休業を 2 回に分割して取得可能
④育児休業の取得状況の公表を義務付け(従業員数が 1000 人を超える企業)
⑤有期雇用労働者の育児・介護休業の取得要件を緩和
⑥育児休業給付に関する規定の整備
 (本改正に関連して雇用保険法の一部も改正予定。詳細は別途公表)
※①~⑥の詳細は厚生労働省のHPなどの資料や当社HP通信などをご確認ください。

では、現在男性の育児休業取得状況について、厚生労働省が公表しています「男性の育児休業取得促進等に関する参考資料集」をもとに見ていきましょう。

2019 年の男性の育児休業取得率は 7.48%で、その約 7 割が 7 日以内の短期間の取得となっています。ほとんどの男性は育児休業を取得おらず、取得しても非常に短い期間となっているのが現状です。では、取得した男性は、どの時期に取得しているかと見ると、末子の出産後8週以内が46.4%と最も高くなっています。具体的には、「産後、妻が産院にいる間」「妻が退院するとき」の時期に取得した男性が67.4%、取得希望をしていた男性が71.1%と非常に高くなっています。男性がこのデータを見ると、上記①の男性の出生時育児休業制度を新設という法改正は理にかなっているのではないかと思います。

上記の法改正で③の分割取得が可能になることも気になります。現在、分割取得は認められないが、厚生労働省の資料では、例えば、労使の話し合い等で災害発生時に臨時に就業してもらうことが可能になるとあります。また、現在は、一度職場復帰すると、また個人的な事由やお子様の事由で何かあっても育児休業を取得できませんが、分割取得できるようになると公私生活において柔軟な対応ができるようになると思いますのでこの法改正も社員にとっては良いことではないかと思います。ただ、人事担当者の事務が煩雑になることが予想されますのであらかじめ事務手続きを確認しておく必要があると思います。

皆様は、今回の法改正で男性の育児休業取得が進むと思いますか?私個人の現段階の考えは、出生後8週以内の出生時育児休業期間に取得される男性はかなり増えるのではないと思います。奥様もこの時期は大変な時期ですし、少しでも協力したいと思う男性は多いと思います。ただ、この時期以外の男性の育児休業取得は何か事情がない限りはそれほど取得する人が増えるとは考えにくいかなと思います。個人的には少しでも認知が進んで社会的に男性が育児休業を取得することに企業に抵抗感がなくなることになれば増えていくと思います。

今回の法改正。「男性の出生時育児休業制度を新設」は個人的には好印象を持ちましたがいかがでしょうか。

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