政府、30兆円超対策ありき
「新しい資本主義会議」提言、成長戦略乏しく
政府は歳出規模30兆円超を見込む経済対策の月内策定に向け、本格的な議論を始めた。「新しい資本主義実現会議」(議長・岸田文雄首相)は8日、経済対策や税制改正に向けた緊急提言をまとめた。規模が膨らみやすい基金や補助金が多く、成長力の底上げにつながるか見えにくい。これまでの新型コロナウイルス対策事業は予算の未執行が目立つ。本当に対策が必要な「賢い支出」を意識する必要がある。
政府の新しい資本主義会議は、分配戦略の中の非正規雇用労働者等への分配強化で「同一労働同一賃金の徹底」や「最低賃金の経済状況に応じた引き上げ」を掲げていますので、該当部分を全文引用にてご紹介いたします。
企業に対して、労務管理の専門家による無料の相談受付や先進的な取り組み事例の周知・啓発、労働局による助言・指導等を行うことを通じて、正規雇用と非正規雇用の同一労働同一賃金を徹底し、非正規雇用労働者の待遇改善を推進する。感染症の影響を受けて厳しい業況の企業に配慮しつつ、雇用維持との両立を図りながら賃上げしやすい環境を整備する。このため、生産性向上等に取り組む中小企業への支援強化、下請け取引の適正化、金融支援等に一層取り組みつつ、最低賃金について、感染症拡大前に我が国で引き上げてきた実績を踏まえて、地域間格差にも配慮しながら、より早期に全国加重平均1,000円とすることを目指す。多様な働き方や新しい働き方を希望する方のニーズに応え、企業における兼業・副業の選択肢の提供を促進するとともに、短時間正社員等の多様な正社員制度の導入を促進する。産業構造の変化に伴う労働移動の円滑化を図るためにも、働き方改革を更に推進する。
なお、新しい資本主義実現会議の緊急提言の詳細は、こちらからご覧ください。