オリエンタルランドに賠償命令
体調崩した女性へ配慮足らず
東京ディズニーランドでキャラクターの着ぐるみを着てショーに出演する40代の契約社員の女性は、上司や同僚から繰り返し暴言を受けるなどパワーハラスメントを受け、体調を崩したなどとして運営する「オリエンタルランド」に330万円の賠償を求めていました。
29日の判決で千葉地方裁判所の内野俊夫裁判長は「職場に暴言はあったが、社会通念上、違法とまではいえない」と指摘し、パワハラに関する訴えを退けました。
企業は、労働契約に付随する信義則上の義務として、安全配慮義務を負っています。そして、安全配慮義務には、健康配慮義務と職場環境配慮義務が含まれます。
健康配慮義務は、過度な疲労や心理的負担によって、従業員の心身の健康を損なわないよう配慮することを義務づけたもので、健康診断の実施やメンタルヘルス対策、過重労働防止対策などがあります。
職場環境配慮義務は、従業員にとって働きやすい職場環境を整備し、維持・確保しなさいという義務で、いじめなどによるうつ病や自殺などが深刻化し、社会問題になる中、ハラスメント防止対策も企業の義務となりました。そのため、企業は、ハラスメント類似の言動(法的に問題となるハラスメントには当たらないが、いわゆるグレーゾーンのハラスメント)が見受けられる場合には、放置せずにきちんと対処し、働きやすい良好な職場環境を保つようにしなければなりません。
ヒューマン・プライム通信のバックナンバーから、安全配慮義務の参考になりそうなものをいくつかご案内しますので、ご関心のあるテーマがありましたら、ぜひご視聴ください。