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かんぽ不正巡る解雇、札幌地裁「相当」

同種訴訟で判断分かれる

かんぽ生命で不正販売が多数発覚した問題で、不正販売を理由に解雇されたのは不当だとして、北海道内の元郵便局員の50代男性が日本郵便に対し、社員としての地位確認と解雇後の賃金の支払いを求めた訴訟の判決が5日、札幌地裁であった。右田晃一裁判長は「解雇は社会通念上相当なもの」として請求を棄却した。

朝日新聞DIGITAL 2023年6月7日付け記事より引用しました。

 解雇の種類には、大きく分けて、普通解雇、整理解雇、懲戒解雇があり、有効性の判断基準もそれぞれ違います。

●普通解雇は、民法627条第1項に基づく解約の申入れであり、労働契約法第16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と解雇権濫用法理が定められています。

客観的に合理的な理由」とは、
・労働者が労務を提供できなくなった場合
・労働能力や適格性が掛けている場合
・職場の義務や規律に違反する行為があった場合
などです。

また、「社会的相当性」とは、
・解雇原因の重大性
・解雇原因の発生に至る経緯
・本人の従前の勤務成績
・解雇原因についての本人の対応、反省の有無
・ほかの事例との比較
などが考えられます。

整理解雇は、経営上必要とされる人員削減のために行われる解雇で、原則として、過去の裁判例から確立された4要件(4要素)が満たされていることが必要です。
①人員削減の必要性
②解雇回避努力の履行
③被解雇者の選定の妥当性
④解雇手続きの妥当性

懲戒解雇は、企業秩序の違反に対する懲戒権の行使であり、普通解雇・整理解雇とは本質的に異なるものです。
懲戒解雇には、懲戒権行使のための要件が必要であり、特に重要な要件は以下の3つです。
・就業規則の根拠
・懲戒事由
・相当性

なお、就業規則の根拠につきましては、ヒューマン・プライム通信のバックナンバーをご参照ください。
347号 人事・労務の実務における基礎知識 就業規則(1)
349号 人事・労務の実務における基礎知識 就業規則(2)

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