同性婚、企業で賛同広がる 結婚休暇や祝い金、研修も
税金や社会保障には壁
同性婚に賛同を表明する企業が増えている。社員の同性パートナーを配偶者と同様に扱う福利厚生制度を整えたり、LGBTなど性的少数者の理解を深める研修などを実施したりして、社員が働きやすい環境を整える取り組みも広がる。同性婚の可否は当事者の尊厳や生活に大きな影響を与える。誰もが自分らしく活躍できる社会の実現に向け、企業の果たす役割は大きくなっている。
多様性を認め合い、様々な人の活躍を促す「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DEI)」の観点から、企業にはLGBT支援の取り組みが求められています。LGBTフレンドリーな企業とは、労働者や関係者向けにLGBTに関する施策を行うことで、LGBTが自分らしく生き、活躍することを支援する企業のことです。
企業が行える取り組みは多岐にわたりますが、LGBTに対する誤解や偏見を解消し、理解を促すことを目的にした研修や周知啓発活動をはじめ、次のような施策があります。
●トップメッセージの発信
●相談窓口の整備(LGBTも相談可能であることを明示)
●SOGIハラ※防止研修の実施
●同性パートナーを視野に入れた福利厚生の拡充(パートナーシップ制度)
●多様な性自認に配慮した職場環境の整備(トイレ、更衣室、制服など)
●社内コミュニケーション習慣の見直し
●職場における支援ネットワークづくり
※SOGIとは、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字をとった言葉で、「SOGIハラ」は、性的指向や性自認に関し、差別的な言動、いじめや暴力などの精神的・身体的な嫌がらせを行うことをいいます。「パワハラ防止指針」によると、SOGIハラや、性的指向・性自認等を本人の同意なく第三者に暴露するアウティングは、パワハラに該当するとされています。また、9月1日に改正された「精神障害の労災認定基準」でも、パワハラには性的指向・性自認に関する精神的攻撃等を含むことが明記されました。
「SOGIハラ」に関しては、過去の記事もご覧になってください。
「精神障害の労災認定基準」改正については、こちらをご参照ください。