賃上げの「山」、今年は高く 5%近辺に3割強
人材競争が激化/中小企業にも波及
春季労使交渉で賃上げが着実に進んでいる。内閣府の賃上げ率に関する分析によると、24年は5%近辺に3割強の企業が集中していることが分かった。23年は3%近辺に25%程度の企業が分布していた。人手不足を背景に連合の要求目標に沿った妥結が相次いでいる。
賃上げには、大きく「ベースアップ」と「定期昇給」という二つの概念があります。2023年、2024年の春季労使交渉では、特にベースアップの必要性・重要性が強調されました。
ベースアップとは、物価上昇に見合った賃金引き上げによって「実質賃金」を維持・向上するために行われる施策で、企業に「賃金テーブル」がある場合、賃金テーブルの金額を増やす方向で書き換えます。
一方の定期昇給は、主に職能資格制度を採用している企業で発生する賃金上昇のことで、一定期間(一般的には1年)終了後に人事評価を行い、その結果を反映させ前年に比べていくら賃金を上げるかを決める仕組みです。実質賃金が目減りしないようにするには、定期昇給を除く賃金の底上げ分であるベースアップ分だけで消費者物価指数を上回ることが必要となります。
さて、厚生労働省は、賃金引き上げに向けた取り組み促進を目的として「賃金引き上げ特設ページ」を開設しています。
企業の取り組み事例には、取り組み内容のポイントや従業員の声などが掲載されています。都道府県別に年代別や業種・職種別の平均的な賃金額を検索できる機能や、賃金引き上げに向けた政府の支援策もアップされています。
また、東京労働局のHPでは、賃金引上げに向けた取り組みの参考資料がダウンロードできます。
●最低賃金・賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援施策
●最低賃金引き上げを受けて賃上げに取り組む皆様へ
●よろず支援拠点
●労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針
●令和6年度業務改善助成金のご案内
●東京労働局「業務改善助成金」に関するリーフレット