サカイ引越センターに賃金支払い命令
東京地裁支部、元従業員に
サカイ引越センターの元作業員兼ドライバーの3人が、同社の賃金制度が不当だとして、未払い賃金の支払いなどを求めた訴訟の判決で、東京地裁立川支部は9日、計約1570万円の支払いを命じた。
労働基準法114条は、事業主が以下①~④の支払いを怠った場合に、裁判所が、労働者による裁判上の請求により、未払金のほか、これと同額の支払いを命じることができると規定しており、これを「付加金」といい、制裁※の一種と整理されています。
①解雇予告手当
②休業手当
③時間外・休日・深夜労働の割増賃金
④年次有給休暇中の賃金
※労働者保護の観点から、①~④の支払い義務を履行しない事業主に対して、制裁としての経済的な不利益を課すもの。
なお、どのような場合に付加金の支払い命令を発するかどうか、また、その金額には、裁判所に広い裁量が認められています。裁判所は、未払いによる法違反の程度や事業主の対応、労働者が被る不利益の性質・内容などの様々な事情を考慮して、付加金支払い命令を出すか否か、及び金額を決定します。参考までに、労働審判では、付加金を命ずることができません。
事業主の皆さまにおかれましては、特に③「時間外・休日・深夜労働の割増賃金」において未払いが生じないよう、この機会にヒューマン・プライム通信のバックナンバーで、賃金管理の理解を深めていただくことをお願いいたします。