介護と仕事との両立について
2015年より国は「介護離職ゼロ」を目標に掲げ、介護離職を防ぐために、国及び自治体が主体となり介護保険制度や介護休暇制度の内容や手続きについての周知拡大を図ってきました。
総務省の「令和4年就業構造基本調査」によると「介護・看護のため過去1年間に前職を離職した人」の数は2007年より約10年間で緩やかに減少を見せていましたが、2022年に再び増加と転じました。
この背景には、高齢化が急速に進んでいる事と両立支援の利用者が少ないことが原因だと思われます。このままだと介護と仕事の両立ができずに離職する人の割合がさらに増えていく可能性があります。
現在、介護と仕事との両立を支援するための制度は
・介護休暇
・介護休業
・介護休業給付金
・介護のための所定労働時間短縮等の措置
・所定外労働の制限
・時間外労働の制限
・深夜業の制限
と様々な制度が設けられているにもかかわらず、「令和4年度雇用均等基本調査」によると介護休業を取得した事業所の割合は1.4%で、育児休業を取得した事業所の割合(女性86.7%、男性24.2%)と大きな差があります。また介護休暇を取得した事業所の割合は2.7%となっております。
もちろん、すべてが整った体制を作ることは難しいでしょうが、人手不足が続く昨今、会社が従業員に寄り添い「両立支援を積極的に進めていきたい」という姿勢をアピールするだけでも、社内の雰囲気は変わりますし、従業員が安心して働ける、さらなる魅力ある会社に進化を遂げるのではないでしょうか。
仕事と介護の両立についてのフォーラムのご案内もさせて頂きますので、ご興味がございましたらぜひご参加ください。
第129回労働政策フォーラム(オンライン開催)
テーマ :仕事と介護の両立─介護離職ゼロに向けた課題
日 時 :第1部 研究報告 2月1日(木)~5日(月)
第2部 パネルディスカッション 2月5日(月)14:00~16:30
開催方式:Zoomウェビナー
参加費無料/申込期限1月31日(水)
本フォーラムでは、働きながら家族の介護をしている人に寄り添った地域の支援や、職場・企業における両立支援の取組の現状と課題について議論し、介護離職の防止に向けて何が求められているのか考察します。