まずは68歳まで働く 定年消え、年金受け取り自由に
「年金破綻論」は少なくなっても残る不安
「何歳から年金を受け取ればいいか」
厚生労働省は5年に一度、年金の財政検証を公表しており、14年に給付に影響を及ぼす要素とその程度についてのシミュレーション結果をオープンにしたことも破綻論者のロジックが非現実的であることを示しました。
高齢化で年金を受け取る高齢者は増える一方、保険料を負担する現役世代は少なくなっていくため、長期的には運用収入に加えて積立金本体も取り崩していく見通しですが、20年すぎに枯渇というのはあり得ないシナリオです。しかも、積立金は給付を補っているといっても、全体に占める割合は1割に満たない水準です。
しかし、破綻の恐れが低いことが専門家の目で見て明らかになった今でも、国民の多くは年金制度に対する不安を感じています。過去に政治や一部マスコミが繰り広げたイメージダウンの影響が根強く残っているためです。