雇用難、非正規・若者に集中
世界の労働力人口660万人減、格差固定化も
新型コロナウイルス禍で失業するにとどまらず、就労を諦める人が増えている。日米英など10カ国で働き手や働く意欲がある人の合計は2020年7~9月期に前年より少なくとも660万人減った。労働市場からの退出者の多くを占めるのは非正規雇用や若者など不安定な立場の人たちだ。株式市場の高騰で富裕層が潤う陰で民主主義や資本主義の足元を揺るがす貧富の格差が一段と拡大しかねない。
新型コロナウイルス禍で世界的にも失業の増加が止まらない。特に打撃が大きいのは立場の弱い層だという。日本では7~9月期に所得階層別で年収100万円未満の就業者が109万人減り、非正規雇用者は125万人減っている。その一方で正社員は45万人増え二極化が鮮明となっている。コロナの収束が見えてこない中、このままでは経済的弱者へのしわ寄せが更に増すと思われる。施策は待ったなしだ。