特定受給資格者の範囲拡大【平成29年1月1日より】
平成29年1月1日より、特定受給資格者の範囲が拡大
特定受給資格者とは:雇用保険の被保険者の方が離職により基本手当(俗にいう「失業給付」)を受けることができる日数は、離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間、離職の理由などによって決定されます。
その中でも、倒産・解雇等により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた受給資格者を「特定受給資格者」といいます。この特定受給資格者に該当した場合、一般の離職者に比べ手厚い給付日数となる場合があります。
今回の範囲拡大による改正点は以下の2点です。
[1] 賃金(退職手当を除く)の額の3分の1を超える額が、支払期日までに支払われなかったことにより離職した者。
⇒ 今までは、「3分の1を超える額が支払期日までに支払われなかった月が引き続き2ヶ月以上となったこと、又は離職の直前6ヶ月の間に3月あったこと等」の要件がありましたが、この要件がなくなり、1回でも3分の1を超える額が支払期日より遅れて支払われた場合は特定受給資格者に該当することになりました。
[2] 事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続等を図るための制度の利用を不当に制限したこと又は妊娠したこと、出産したこと若しくはそれらの制度を利用の申出をし、若しくは利用したこと等を理由として不利益な取扱いをしたため離職した者。
⇒ 今回の改正で新たに追加されました。具体的には下記の①~③のいずれかに該当したため離職した場合が該当します。
①育児・介護休業法の規定に基づき、育児休業、介護休業、看護休暇、介護休暇の申出をしたが、正当な理由なく拒まれたため、休業開始予定日までに休業又は休暇を取得できなかった場合
②妊娠・出産をしたこと、産前休業を請求し、又は産前産後休業をしたこと、並びに育児休業、介護休業、看護休暇、介護休暇の申出又は取得したことを理由とする不利益取扱いを受けた場合
③事業主が、育児・介護休業法、労働基準法、雇用分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の労働者保護法令(一定のものに限る)に違反し、又は措置されなかった場合