関心が集まる「勤務間インターバル」
休息義務付け、経営に利点も
仕事の終業から翌日の始業までに、一定時間の休息を義務付ける「勤務間インターバル制度」が関心を集め始めています。人事院は長時間労働が常態化している国家公務員の状況を問題視し、その是正策として導入を検討しています。有識者による研究会を今年1月に立ち上げ、6月にも中間報告をまとめます。
「勤務間インターバル制度の企業導入率を25年までに15%以上」とする政府目標に対し、企業の導入率は4.6%にとどまっています。一方、勤務間インターバル制度について「制度を知らない」と回答する企業の割合は、18年度26.6%⇒19年度15.4%⇒20年度10.7%と年々、改善が見られます。
昨年、20年ぶりに「脳・心臓疾患の労災認定基準」が改正されましたが、その中で、労働時間以外の負荷要因が見直され、勤務時間の不規則性に『勤務間インターバルが短い勤務』が新設されました。交替制勤務にかかわらず、終業が遅くなり、翌朝の始業までが短くなる場合も、負荷要因として評価するというものです。具体的には、長期間の過重労働の判断に当たっては、睡眠時間の確保の観点から、勤務間インターバルがおおむね11時間未満の勤務の有無、時間数、頻度、連続性について検討し、評価するとされました。
このような動きから、現在は努力義務である勤務間インターバルの導入ですが、いずれ義務化されることが考えれます。厚生労働省では働き方改革推進支援助成金に勤務間インターバル導入コースを設け、中小企業における制度の導入を促しています。近い将来に義務化される可能性が高い制度だと思いますので、助成金が受給できる間に導入を検討されてみてはいかがでしょうか。