残業代未払い 東映に是正勧告
仮面ライダー制作現場
残業代未払いなどがあったとして、大手映画会社、東映が中央労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが15日までに分かった。20代女性社員と加入する労働組合が14日に東京都内で記者会見した。テレビ作品「仮面ライダー」シリーズの制作現場で働いた際、時間外労働や休日労働の割増手当が不十分だったという。
記事にある「固定時間外手当」とは、一定時間分の時間外労働、休日労働および深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金のことです。
昨今この固定残業代を巡るトラブルが多いことから、厚労省は固定残業代制を採用する場合の留意点を示し、企業に注意を促しています。リーフレットの明示事項③にある通り、予め設定した固定残業時間を超える時間外労働・休日労働・深夜労働に対しては、超過部分の割増賃金を追加で支払わなければなりません、
そもそも割増賃金の目的は「時間外労働等の抑制」(医療法人社団康心会事件・最二小判平成29・7・7より)にあるところ、東映さんでは「労働時間を把握せず、固定時間外手当として時間外や休日の割増賃金を月約14万円しか支払わなかった」ということですので、採用されていた固定時間外手当は労基法37条の趣旨を潜脱しており、適切な運用が行われていなかったのではないかと思います。