終身雇用前提の退職金を見直し
政府、税制と企業規則一体で 成長産業への転職後押し
政府は終身雇用を前提とした退職金の制度を改める。同じ会社に長く勤めるほど優遇される税制の是正をめざす。企業には勤続期間が短いと退職金を払わない慣行をなくすよう促す。硬直的な労働市場を見直して成長産業に人材が移動しやすくする。
日本経済団体連合会(経団連)では、企業における退職金・年金の実態と退職金水準の動向を把握し、退職金制度の見直し等の参考とするために、「退職金・年金に関する実態調査」を行っています。この調査は、1973年に開始され、1976年~2018年までは隔年、2021年からは3年ごとに実施されています。
最新の2021年9月度調査結果によると、標準者退職金※は、勤続年数の上昇に伴って退職金額が増加しており、「管理・事務・技術労働者(総合職)」の 60歳では、大学卒(勤続年数38年)が 2,243.3 万円、高校卒(勤続年数42年)が 1,953.0 万円となっています。
その増加幅をみると、大学卒では勤続年数25年(1,209.0 万円)と30年(1,649.1 万円)の間、高校卒では勤続年数30年(1,162.7 万円)と35年(1,542.5 万円)の間で、それぞれ最も大きくなっています。
※学校卒業後直ちに入社し、その後、標準的に昇進・昇格した者を対象に算出したもの
また、退職金制度の形態では、「退職一時金制度と退職年金制度の併用」が66.1%で最も多く、「退職一時金制度のみ」は15.9%、「退職年金制度のみ」は10.3%となっています。「退職年金制度」がある企業において、その種類をみると(複数回答)、「確定拠出年金(企業型)」が71.2%で、過去最高となりました。
一方で、「確定給付企業年金」は年々減少傾向にあります。なお、「確定拠出年金(企業型)」におけるマッチング拠出※を導入している企業は、2012年以降増加傾向にあり、2021年は46.5%となっています。
※事業主掛金を上回らない範囲で、加入者である従業員も掛金を拠出できる制度
ヒューマン・プライム通信のバックナンバーでも、退職金制度について解説していますので、ぜひご視聴ください。
また、「確定拠出年金(企業型)」について詳しくお知りになりたい方は、こちらのサイトをご覧になってください。
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