iDeCo、70歳未満に 掛け金拠出5年延長
シニアの資産形成
厚生労働省はiDeCo(個人型確定拠出年金、イデコ)に掛け金を出せる期間を現状の65歳未満から70歳未満に上げる。65〜69歳で働く人は2023年に52%に達した。働きながら長く積み立てれば、将来の年金が増えやすくなる。掛け金の上限額と受給開始年齢の上限引き上げも検討する。
「確定拠出年金(DC)」は、加入者ごとに拠出された掛金を加入者自らが運用し、その運用結果に基づいて給付額が決定される年金制度です。掛金(=拠出額)が決められていることから、確定拠出年金と呼ばれています。
確定拠出年金には、企業年金の一つで事業主が掛金を拠出する「企業型年金(企業型DC)」と、個人で加入して本人が掛金を拠出する「個人型年金(iDeCo)」の2つのタイプがあります。
企業型年金(企業型DC)は、事業主が主体となり実施される制度で、その企業に勤務する従業員が加入者となります。掛金は事業主が拠出するほか、規約に定めることで事業主の掛金に上乗せして、加入者が一定の条件で掛金を拠出するしくみ(マッチング拠出)を設けることができます。
個人型年金(iDeCo)は、国民年金基金連合会が実施する制度で、原則として20歳以上60歳未満の全ての方が加入できます。なお、企業型DCの加入者は、加入している企業型DCの規約で「iDeCoに加入できる旨が定められている」ことが必要です。掛金は加入者自らが拠出します。
従前iDeCoには60歳未満の方しか加入できませんでしたが、2022年5月1日の改正で65歳になるまで加入できるようになりました。ただ、全員が65歳になるまで加入できるわけではなく、iDeCoの加入条件には「国民年金への加入」があり、60歳以降も公的年金に加入している人だけが対象です。従って、60歳以降も会社員や公務員として働き厚生年金に加入していれば、引き続きiDeCoに加入できます。
一方、フリーランスや自営業者、扶養されている配偶者は、原則60歳までしか国民年金に加入できませんが、国民年金保険料を40年間納めていない場合は60歳以降も国民年金に「任意加入」できる制度がありますので、任意加入している間は、iDeCoに加入することができます。
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