12月は職場のハラスメント撲滅月間
厚労省 職場におけるハラスメント対策シンポジウム開催
厚生労働省では、12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、ハラスメントのない職場づくりを推進するため、集中的な広報・啓発活動を実施します。
その一環として、「職場におけるハラスメント対策シンポジウム」をオンラインで開催します。有識者による基調講演や「中小企業の事例に見る、ハラスメント対策の実務」と題してパネルディスカッションを行います。
パーソル総合研究所さんが、「職場のハラスメントに関する調査」結果を発表しています。
この調査は、職場のハラスメントに関する実態・課題について定量的なデータで把握するため、全国の20~69歳男女の就業者28,135人を対象に2022年8月30日-9月5日に実施したもので、調査結果のサマリーは、以下の通りです。
●2021年(年間)におけるハラスメントを理由とした離職者数(簡易推計した結果)は約86.5万人で、業種別には、宿泊業、飲食サービス業が多くなっています。また、ハラスメントによる離職者のうち約7割が会社に退職理由を伝えていません。
●全就業者の34.6%が過去に職場でハラスメントを受けた経験があると回答しました。ハラスメント被害の内容としては、「自分の仕事について批判されたり、言葉で攻撃される(65.1%)」が最も多く、「乱暴な言葉遣いで命令・叱責される」(60.8%)、「小さな失敗やミスに対して、必要以上に厳しく罰せられる」(58.8%)が続いています。
●被害者が認識したハラスメントに対して、会社側の対応まで至った割合は17.6%であり、82.4%のハラスメントは未対応のままとなっています。なお、「会社は認知していたが、対応なし」も37.2%ありました。
●ハラスメントに対する被害者自身の対応について、「特に何もしなかった」(24.4%)が4分の1を占めています。また、全就業者の39.5%が職場で過去にハラスメントを見聞き(目撃)した経験があると回答し、目撃後の対応としては「特に何もしなかった」=傍観行動をとる者が最多で41.4%、次いで「被害者の相談にのった/声をかけた」が40.7%でした。
●ハラスメントの度合いが高い上司がとるマネジメント行動として、最も傾向が強いのは、「仕事の進め方を細かく指示する」、「組織のルールに従うことを厳しく要求する」などの「マイクロマネジメント」です。
一方、「部下をプライベートなイベントには誘わないようにする」、「部下が不注意なミスをしてもあまり厳しく叱咤しない」などの「回避型マネジメント」は、ハラスメントから遠ざかっています。
ただ、ハラスメント回避的なマネジメントをしている上司の行動は、部下に上司との心理的な距離感を感じさせ、その結果、上司との距離感を感じている部下ほど、成長実感を得られていません。