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医師の残業規制、病院の準備遅れ

労働時間把握、4割どまり 厚労省調査

医師の勤務実態を副業・兼業先も含めて把握している病院が4割弱にとどまることが厚生労働省の調査で分かった。労働基準法に基づく時間外労働の上限規制の医師への適用は2024年度に迫る。自治体には地域医療の機能低下を懸念する声もある。準備が遅れれば混乱をきたしかねない。

日本経済新聞Web 2022年7月5日付け記事より引用しました。

 2019年に働き方改革関連法が施行され、大企業は2019年、中小企業は2020年から、時間外労働の上限規制(年720時間以内、月100時間未満※、複数月平均80時間以内※ ※休日労働を含む)が始まっています。しかし、医師については勤務の特殊性などを考慮し、5年間、適用が猶予されていました。

そして、2021年5月に改正医療法が成立し、長時間労働が常態化している勤務医の労働環境を改善するための取り組みとして、2024年4月からの時間外労働の上限規制導入が決まりました。
勤務医の残業を原則年960時間以下に制限し、救命救急センターで勤務したり、地域医療を担ったりするため長時間労働が不可避な場合は、例外的に年1860時間の上限規制が適用されます。具体的には、次の通りです。
【A水準】すべての医師
〈対象〉診療従事勤務医
〈上限〉年960時間以下/月100時間未満(休日労働含む)
【B水準】地域医療暫定特例水準
〈対象〉救急医療など緊急性の高い医療を提供する医療機関
〈上限〉年1,860時間以下/月100時間未満(休日労働含む)
【C水準】集中的技能向上水準
〈対象〉初期臨床研修医・新専門医制度の専攻医や高度技能獲得を目指すなど、短期間で集中的に症例経験を積む必要がある医師
〈上限〉年1,860時間以下/月100時間未満(休日労働含む)

また、時間外労働の上限規制の適用開始に向け、医師の働き改革として次の措置を講じることとしています。

  • 勤務する医師が長時間労働となる医療機関における医師労働時間短縮計画の作成
  • 地域医療の確保や集中的な研修実施の観点から、やむを得ず高い上限時間を適用する医療機関を都道府県知事が指定する制度の創設
  • 当該医療機関における健康確保措置(面接指導、連続勤務時間制限、勤務間インターバル規制等)の実施 等

医師の年間の時間外・休日労働時間数が、副業・兼業先を含め、960時間を超える病院においては、2024年4月までに、現状と問題点の把握、院内の検討体制の整備、改善策の検討から実施まで取り組む必要があります。

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