介護休業、社員への周知義務に
在宅勤務の導入促す
厚生労働省は介護のために従業員が取得する介護休業や休暇制度について対象者に知らせることを企業に義務付ける調整に入った。介護しながら在宅勤務できる仕組みの導入も求める。企業の行動と意識変革を促すことで離職を減らし、仕事との両立を後押しする。
少し前の調査ですが、日本総合福祉アカデミーの教室を運営する株式会社ガネットさんが2019年に、「介護離職」についての意識調査結果を公表しています。
それによると、親などの介護に際して、勤め先に相談した人はわずか23%しかいませんでした。また、「介護保険」、「介護休業」、「介護休暇」を知っていた者が全体の半数を割っており、なかでも「介護休業」、「介護休暇」を知っていると答えた人は、それぞれ全体の5%もいません。
このように、介護を支援する制度があっても、その存在すら知らない人が大半を占めており、さらに介護のことで会社に相談していない人がこれほど多い状況では、介護離職を防ぐことはできません。
40代~50代の働き手の1割強が介護を担っており、年間約10万人が介護離職をしているといわれています。社会全体の課題である介護離職を防止するためには、会社が以下のような情報を発信・提供していくことがとても重要です。
●介護保険制度の基礎知識
●介護をしながらの働き方、介護との向き合い方
●仕事と介護の両立支援制度
●ケアハラスメントの予防
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