大企業の健保、78%が赤字
コロナ前から倍増
新型コロナウイルスの感染拡大で、大企業の社員らが入る健康保険組合の財政が悪化している。健康保険組合連合会(健保連)が22日まとめた全国約1400組合の2021年度の予算集計によると、赤字を見込む割合が78%と20年度より12ポイント高まった。収支の均衡に必要な実質保険料率も解散の目安とされる10%を初めて超える見通しだ。
「高齢化の影響で22年以降に支出の急増を見込んでいたが、新型コロナで1年早く危機が訪れた」。
健康保険料率が10%を超えると自前の健康保険組合を持つ意味がない。理由は協会けんぽの全国平均が10%だからだ。今月1日には大阪既製服健康保険組合が、初めてコロナの影響を理由として解散した。
今後この状況が続くようであれば、他にも解散する健保組合は現れるだろう。国民皆保険制度の維持のための対策は、付け焼刃では先々もたないのではないだろうか。