6月は「就職差別解消促進月間」です
就職差別解消の気運を醸成するための取組
就職は、生活の安定確保や労働を通じた社会参加など、人間が幸せに生きていく上で基本となるものです。このため、採用選考は、応募者の適性と能力に基づき公正に行われなければなりません。 しかしながら、面接時に本籍地や思想・信条等を聞くなど、就職差別につながるおそれの強い事例が現在もあります。
東京都では、平成12年度から、6月を「就職差別解消促進月間」とし、東京労働局及びハローワーク等と連携して、様々な啓発活動を展開しています。
「就職差別解消促進月間」は、あらゆる項目での就職差別をなくし、就職の機会を均等にすることを目的として、東京都が平成12年度から開始したものです。
さて、連合は5月31日、採用選考における就職差別の実態調査を発表しています。
調査結果によると、企業の採用面接で質問された内容は、「転勤ができるかどうか」が43.3%で最も多く、次いで「残業や休日出勤ができるかどうか」が42.8%、続けて、「家族に関すること」37.7%、「性別」28.6%、「本籍地や出生地に関すること」28.3%、「結婚の予定」19.2%、「思想に関すること」15.2%、「性的指向の確認」8.9%、「性自認への違和感の有無」7.6%、となっています。
また、面接官による不適切だと思う質問・発言を受けた経験は、男性で18%、女性で21%があり、その内容としては、男女とも、「女だからすぐ辞めるだろう」「女性の方が仕事は丁寧」などの性別に関するもの、「彼氏の有無」「恋人の有無」などの恋愛・結婚に関するもの、外見に関するものといった質問や発言を受けるケースが多くあがっています。
これらの内容は、応募者の適性や能力とは関係のない情報ですが、実際の面接ではそのような質問や発言が行われているようです。
千葉商科大学 国際教養学部 准教授/働き方評論家の常見陽平氏は、調査の解説・講評のなかで、「いまだに人権に対して無頓着な質問やハラスメント質問、さらには男女差別が根強く残っていることは残念だ。」とコメントされています。
なお、ヒューマン・プライム通信のバックナンバーでは、就活ハラスメントの実態、就活ハラスメント対策の取り組み状況と中小企業における好事例をご紹介していますので、この機会にぜひご視聴ください。