最低賃金引き上げ 労使の隔たり埋まらず
7月28日改めて会議へ
今年度の最低賃金の引き上げについて26日、厚生労働省の審議会で大詰めの議論が行われましたが、引き上げ額をめぐって労使の隔たりが埋まらず、28日に改めて会議を開いてとりまとめを目指すことになりました。
最低賃金は企業が労働者に最低限、支払わなければならない賃金で、都道府県ごとに金額が決められ、現在、全国平均は時給961円です。
第5回中央最低賃金審議会 (目安に関する小委員会)は、本日(7月28日)10時より開催され、令和5年度地域別最低賃金額改定の「目安」について、引き続き議論がおこなわれます。
さて、地域別最低賃金額改正の手順ですが、厚生労働省には「中央最低賃金審議会」が、都道府県労働局には「地方最低賃金審議会」が置かれており、地域別最低賃金は、各地方最低賃金審議会の審議を経て、都道府県労働局長が決定又は改定することとなっています。
また、地域別最低賃金の全国的整合性を図るため、中央最低賃金審議会が毎年、地域別最低賃金額改定の「目安」を作成し、地方最低賃金審議会へ提示することとしています。
ただし、その「目安」は、地方最低賃金審議会の審議の参考として示すものであって、これを拘束するものでないとされています。最低賃金は、新型コロナの影響で経済状況が悪化した2020年度こそ1円の引き上げでしたが、昨年度までの10年間で引き上げ幅は6回過去最大を更新し、その間に全国加重平均で212円上昇しました(2012年度749円⇒2022年度961円)。
岸田首相は3月に開いた政労使会議で、「最低賃金の全国加重平均を2022年度の961円から4%高い1000円に引き上げる」目標に言及しており、そのためには過去最大となった昨年度を上回る39円以上の引き上げが必要になります。
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