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土下座強要や値引き要求…迷惑客の宿泊お断り

改正旅館業法が施行

ホテルや旅館が迷惑客の宿泊を拒めることを定めた改正旅館業法が13日に施行された。ホテルのスタッフに土下座を強要したり、部屋のアップグレードを執拗に求めたりすると宿泊できなくなる。
改正法は6月に成立した。ホテルなどの従業員を守り、他の宿泊客にとっても快適な環境をつくることで、観光業の人手確保や振興につなげる狙いがある。

日本経済新聞Web 2023年12月14日付け記事より引用しました。

 旅館業法においては、旅館業の営業者は、公衆衛生や旅行者等の利便性といった国民生活の向上等の観点から、一定の場合を除き、宿泊しようとする者の宿泊を拒んではならないと規定しています。

しかし、新型コロナウイルス感染症の流行期においては、

  • 宿泊者に対して感染防止対策への実効的な協力の求めを行うことができない
  • いわゆる迷惑客について、営業者が無制限に対応を強いられた場合には、感染防止対策をはじめ、本来提供すべきサービスが提供できない

等の意見が寄せられました。こうした情勢の変化に対応して、旅館業法等の一部改正を行う法律が今年6月に成立し、昨日(12月13日)から施行されています。
改正の概要は次の通りです。

1.宿泊拒否事由の追加
カスタマーハラスメントに当たる特定の要求を行った者の宿泊を拒むことができることとされました。※宿泊拒否できる具体例は、こちらをご覧ください。

2.感染防止対策の充実
①特定感染症が国内で発生している期間に限り、旅館業の営業者は、宿泊者に対し、その症状の有無等に応じて、特定感染症の感染防止に必要な協力を求めることができることとされました。

②既存の宿泊拒否事由の1つである「伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき」が「特定感染症の患者等であるとき」と明確化されました。

③宿泊者名簿の記載事項として、「連絡先」が追加され、「職業」が削除されました。

3.差別防止の更なる徹底等
①営業者は、感染症のまん延防止対策の適切な実施や特に配慮を要する宿泊者への適切な宿泊サービスの提供のため、従業者に対して必要な研修の機会を与えるよう努めなければならないこととされました。

②営業者は、旅館業の公共性を踏まえ、かつ、宿泊しようとする者の状況等に配慮して、みだりに宿泊を拒むことがないようにするとともに、宿泊を拒む場合には、宿泊拒否事由のいずれかに該当するかどうかを客観的な事実に基づいて判断し、及び宿泊しようとする者からの求めに応じてその理由を丁寧に説明することができるようにするものとされました。

③営業者は、当分の間、1.又は2.②のいずれかで宿泊を拒んだときは、その理由等を記録するものとされました。

4.事業譲渡に係る手続の整備
①事業譲渡について、事業を譲り受ける者は、承継手続を行うことで、新たな許可の取得を行うことなく、営業者の地位を承継するものとされました。

②都道府県知事等は、当分の間、①の規定により営業者の地位を承継した者の業務の状況について、当該地位が承継された日から6か月を経過するまでの間において、少なくとも1回調査しなければならないものとされました。
(以上、厚生労働省「令和5年12月13日から旅館業法が変わりました!」より)

なお、ヒューマン・プライム通信のバックナンバーでは、企業のカスタマーハラスメント対策について解説していますので、この機会にぜひご視聴ください。

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